東海ピアノ WALDSTEIN 修理開始

7月に入りました。
蒸し暑い日が続いています。

工房に修理をする新たなピアノが入りました。
東海楽器株式会社が製造したアップライトピアノのWALDSTEIN モデル 120W です。

外装はマホガニー色(赤茶色)で、猫脚が可愛らしいピアノです。

DSC_0218

東海楽器株式会社は、1947年に河合楽器の出身の技術者たちが集まり、
ピアノを作ることを目的としてスタートしました。ところが当時は終戦直後で資材がなく、ピアノ製作の夢が果たせませんでした。
ピアノ以外の楽器では鉄琴をはじめとして、ハーモニカ、ギター、チェンバロなどを製造していました。
当初の目的であったピアノ製作を開始できたのは31年後の1978年1月でした。
東海ピアノはドイツのピアノメーカーであるシンメル社の楽器をモデルとして製作され、アップライト、グランド共にできる限り小型につくられています。
これらのピアノは88鍵でありながら、音質を犠牲にせずに可能な限り小型化することに成功したもので、欧米のピアノに類似した長所を備えています。
(「楽器の辞典」より抜粋)

工房の東海ピアノからもそれらの意図を感じられます。

修理作業の前に、いつものように演奏をしてピアノの音やタッチを確かめます。
修理前の状態をきちんと把握しておくことで、修理後と比較することができます。

DSC_0213

修理後に演奏するのが今から楽しみです!

by 志乃

KAWAI KU2 外装磨き

雨の日が続いています。梅雨が明けるといよいよ夏本番ですね。

KAWAI アップライト モデルKU2の修理の続きです。
外装磨きに入りました。

KU2の外装は本来だと鏡のようにきれいなのですが、
長い年月が経ち曇りが塗面全体に出てしまっていました。

本体やそれぞれのパーツをバフで丁寧に磨いていきます。
けっこう体力を使います。

DSC_0176

磨くたびに艶が蘇っていくのがわかり楽しいです。

ピアノの衣装を揃えるといった感じでしょうか。

また、ペダルなどの真鍮(しんちゅう)部分も錆びが出て汚れていたので
きれいに磨きました。

DSC_0182

DSC_0172

外装みがき、進行中です。

by志乃

YAMAHA U5 アクション修理

梅雨本番を迎えました。
先日の雨上がりの夕暮れ時、空が薄紫色をしていてなんとも幻想的でした。

YAMAHA アップライト、モデルU5の修理です。

工房ではアクション(ピアノ内部にあるメカニック)の修理に入りました。

今回は劣化した革の部品の貼りかえ作業です。
古く劣化した革を剥がしてから新しい革を貼ります。

DSC_0136

 
DSC_0139

88本分丁寧に貼っていきます。

DSC_0150

ピアノは木材、フェルトや革、金属など様々な材料を使用しています。
アクションはその中でも材料の部品が細かく小さいものが多いですが、どの部品も大切な役割を持っています。

新しい部品にすることで『弾きやすさ』につながり、より演奏しやすくなります。

さてこれは何でしょう?

DSC_0146

写真の容器の中にあるものは、あの某人気キャラクターが大好物のはちみつのようですが、これは膠(ニカワ)というもので、接着剤として使います。
ニカワは動物の骨や皮などからゼラチン成分を抽出して固めたものです。匂いははちみつではなく、独特な匂いがします。
工房では様々な接着剤を使っていますが、ニカワは主にフェルト類や革の接着や木材の接着などに使用しています。使用するときは加熱して液体状にして塗ります。
ニカワの優れている点は、一度接着するとしっかりくっついていますが、熱を加えるとはがしやすく、再度修理する際(20~30年後ぐらいでしょうか)に便利です。

アクション修理、順調に進んでいます。

by志乃

KAWAI KU2 鍵盤作業とハンマー整形

夏至に向かって一日一日と日が長くなっていますね。
それに伴うように、冬よりも自然と体も活動的になっている気がします。
朝夕の風も気持ちがいいです。

先週に引き続きKAWAIのアップライトピアノ、モデルKU2です。
鍵盤作業に入りました。
剥がれかけていた白鍵を新しく張り替えます。

(写真は剥がれていた時のもの)
DSC_0037

機械を使い大まかに加工をして、そして最後は手作業で白鍵の形を整えていきます。

DSC_0092

DSC_0084

段々とゴールが見えてくる過程が楽しいです。

DSC_0101

黒鍵も磨いて白鍵と共にキレイになりました。

続いてはハンマー整形(ハンマーファイリング)を行いました。
ピアノを弾かれることで、ハンマーに弦の跡がつき、形も変形していきます。
音色にも関わります。

(写真の左側のハンマーは整形前のもの)
DSC_0083

形も整い見た目もキレイになりました。

どんな音を奏でるのか楽しみです。

by志乃

KAWAI KU2 アクション修理

関東もいよいよ梅雨に入りました。
それにしては連日晴れの日が続いていて工房のお花も暑さにやられています。

さてお客様からのお預かりピアノ、KAWAI KU2 の修理の続きです。
前回までの修理はこちら↓
KAWAI KU2 修理開始

KAWAI KU2 弦交換

今度はアクション修理です。

アクション部品の動きの支点になるセンターピンを交換しました。
タッチにとても大きく影響する場所です。

DSC_0079

そしてダンパーフェルトを新しくしました。ダンパーは音を止める役割をします。
フェルトが劣化していて、音の止まりがわるく、雑音の原因にもなっていました。

DSC_0074

また、スプーン(本当にスプーンの形です)という名の部品もキレイに磨きました。

DSC_0042shino (21)

どの部品の修理も細かく根気のいる作業ですが、修理することで確実に弾きやすくなります。
どんどんアクションが生まれ変わっていく様がおもしろいです。

by志乃