工房では、カワイグランドピアノ R1 の修理を進めました。
今回はハンマー交換と鍵盤の鉛調整です。
交換前のハンマーには、弦溝が深くついていました。
新しいハンマーは、接着する前に針刺しをします。この工程をすると、音に厚みがでます。
ハンマーシャンクも新しいものに交換します。
接着時の写真を撮り忘れてしまい、接着後の写真になりました。
ハンマーテールの加工をします。
これで、ハンマーを取り付けてアクションの修理は完了です。
次にタッチの重さを鍵盤に鉛を入れる事で調整していきます。
今回、この修理の大きなテーマの一つが、タッチの重さを何とかし、軽快にする、でした。
過去にも他の技術者の方が改善処置をしていましたが、鍵盤を押し下げやすくはなっていましたが、鍵盤の戻りが鈍く、タッチが軽快とは言えませんでした。
アクションを良く調べえると、余計な摩擦が発生する設置になっていて、鍵盤自体に多くのおもりを入れて、少々強引にタッチのつじつまを合わせる結果になっていました。
そこで、ウィペンのセンターピンの位置を最適なポジションにするために0.5mm奥にずらし、ハンマーを少し軽めのものに変えて、軽快なタッチを目指すことにしました。
アクションを組み立てて、タッチの重さを測りました。この時点で既に、タッチが軽快な方向に改善されていました。
更により良くするために、鍵盤についている余計な鉛を抜いて埋木をします。
埋め木を加工して筬に鍵盤を戻し、アクションを戻します。
再びタッチの重さを測定し、最適なタッチになるように鉛を入れていきました。
結果、鍵盤の総重量が約1.5キロも軽くなりました。これだけ鉛を抜いたのは初めての事でした。
次回はお客様宅での整調作業についてご報告いたします。
by孝則 、真帆
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