KAWAI CL-4Eのハンマーファイリングと整調、消音取り付けを行いました。
ハンマーファイリング
ハンマーに弦溝がしっかりついていたので、ハンマーを削って弦溝を取り、形も整えました。
ハンマーを弦に真っすぐ当たるようにハンマーの走り、傾き、弦当たりを直すことができます。
三つの弦にハンマーがきちんと当たって音がクリアになりました。
before
after
整調
消音の取り付け前に整調をして、鍵盤の高さ、深さ、ハンマーの接近、ダンパーの総上げ、スプーンかかり、ハンマーストップを揃えてました。
このピアノは高さが104㎝の小さなピアノで、鍵盤も短いピアノなため、鍵盤の高さや深さがタッチに大きく影響します。
鍵盤の高さ(ならし)
本来は、鍵盤の高さは、鍵盤の下に紙を入れて高さ調整します。
写真は鍵盤の下に入れる紙パンチングです。これで鍵盤の高さを調節します。
(大きいサイズが鍵盤手前のフロントパンチング 小さいサイズが鍵盤奥のバランスパンチング)
ところが、鍵盤を押したときの水平を見たところ、高さを0.5~1.0mm低くしたほうがいい箇所がありました。紙パンチングは入っていませんでした。いつもはその高い鍵盤に合わせて、紙パンチングを入れて全体を均一にしますが、そうすると鍵盤が高くなってしまい、弾きにくく感じたので、今回は高い鍵盤の裏をヤスリで少し削って低くし、全体の高さを揃えました。黒鍵も高いものは鍵盤の裏を少し削りました。白鍵から黒鍵の高さは、12mmの高さが標準ですが、当初13mm近いのもありました。演奏すると黒鍵が高いと感じるほどだったので、出来るだけ12mmに近づけました。結果、12.5mmで揃えました。
鍵盤の深さ、ハンマーの接近、ダンパー総上げ、スプーンかかり、ハンマーストップを行いました。どの工程も、バラバラだったので、整調を進めていくと、タッチが良くなっていくのが感じ取れました。
消音取り付け
このピアノは小型のピアノなので、消音も取り付けがギリギリなところや、そのままでは取り付けが出来ないところがありました。棚板の脇を削ったり、レバーが取りつけできないので椹木を作って取り付けたりと、いろいろと工夫が必要な作業でした。
(鍵盤の下のセンサー横の配線のスペースがなく、木を削ってスペースをつくりました。後で黒く塗りました。)
消音の取り付けも終わり、調律をして最後に整調、雑音を確認し外装を綺麗にしてピアノを組み立てました。
弾いて音を出してみると、音程感があり、音がはっきりクリアに出るようになりました。
お客様のもとにピアノが戻るのが楽しみです。
by真帆
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