ベルトーン お客様宅へ

サッカーW杯がロシアで開幕しました。時差の関係で、夜から明け方にかけて試合が行われるようですね。少しのあいだ寝不足になる方も多いのではないでしょうか。現地は肌寒い日もあるようですが、熱い熱い戦いになることを期待しています!

工房では、先日ベルトーン、モデルFU33の修理が終わり、お客様宅へピアノを届けました。

(出庫前の工房にて)

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今回の修理は主にアクション修理を中心に作業を進めていきました。弾いても音が出ないなどの症状は直り、どの鍵盤を弾いてもきちんと音が出るようになりました。
修理後の整調作業ではより弾きやすいタッチになるよう、アクションと鍵盤の調整を行いました。そして調律と整音作業で音色が整い、明るく朗らかな響きになりました。最初の状態では音は半音近く下がり、音も出しにくく気持ち良く弾けるような状態ではなかったのですが、元々の音の質はしっかりしていて本体も問題なかったので具合が悪いところを修理、調整した結果、また楽しんで演奏できるようなピアノに仕上がりました。外装も白くもやもやしていましたが、ピカッと光輝く姿に変わりました。

ピアノを出庫してから数日後、お客様宅へ納品調律に伺いました。

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ピアノの下にあるパネルはご主人様のお手製です。椅子の収納にも合わせたオリジナルの形になっています!修理したピアノについて、音やタッチが変わったことはもちろん、外装がキレイに蘇ったことをとても喜ばれていました。外装磨きを行うか迷われていたのですが、磨いて本当に良かったとおっしゃっていただきました。
ご実家で長らく眠っていたピアノが、再び弾かれているのはとても微笑ましい光景でした。これからも素敵な音色を響かせてくれることでしょう。

ホルーゲル 響板修理

関東地方が今週梅雨入りしました。しかしここ2日間は、日ざしが痛いぐらいの晴天に恵まれて帽子や日傘が大活躍です。明日以降は雨傘の出番が続くのでしょうか。少し憂鬱な気分ではありますが、四季の移り変わりを肌で感じます。

工房では、ホルーゲル(GP)の響板修理をしています。
まずは響板割れの埋め木から。
響板はピアノの心臓部です。ハンマーが弦をたたき、弦振動が駒を通して響板に伝わります。そして響板全体が振動することで音が大きくなり、スピーカーのような働きをします。また音量だけでなく音色にも影響があります。
響板割れは長年の温度、湿度変化によって起こります。今回の響板はけっこうな数の割れが見られました。

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割れている場所をよく見ると、板と板のはぎ合わせ部分が割れていました。どうやらはぎ合わせの接着剤が良くなく、接着不良になり引き起こされたものでした。

修理はまず、割れの部分に専用の埋め木が入るように、機械で加工しました。写真にはないですが、慎重に真っすぐ線を引くように機械を動かしていきます。部屋中に木材の匂いが広がります。その後、さらに埋め木を手作業で微調整していきます。何度も入れて確認しながら、ぴったり合うようになったら接着します。

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埋め木の接着後、響板と面になるまで埋め木の出っ張りを削りました。ふと気づくと全身が粉まみれになっていました。

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今回は全部で16本の埋め木をしました。デカール(メーカーのステッカー)にも埋め木が入ったので、後でデカールを補修しようと思います。
響板修理、次は響板のニス塗り直しを行います。響板がどんどん元気になっていくような気がしています!

ベルトーン 外装磨き

今日から6月に入りました。そこかしこでアジサイが美しく咲き始めていますね。アジサイは色彩が豊富で大きさも様々。道端にもたくさん咲いているので、歩きながらふっと心が癒されます。

工房では、ベルトーン、モデルFU33の外装を磨きました。

磨き前は、もやもやした膜で覆われているような状態で、全体が白くくすんでいました。
今回の外装はカシュー塗料で塗装されていました。カシュー塗料は、カシューナッツの殻から絞った油を原料としている塗料です。本来の光沢感がある塗面が蘇るようにバフで磨いていきました。

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磨いていくと、くすみが段々と取れていき、そこからピカッとした黒色の塗面の顔が出てきました。例えるならば、古い角質がボロボロと落ちて本来の美しい肌に戻っていくような感じです。丁寧に、そして慎重に塗面の様子を見ながら進めていき、本体と各パーツの外装は光沢感がある中に落ち着きも感じられる仕上がりになりました。

そして、ペダルと蝶番の金属磨きをしました。ペダルは手磨きで行い、表面に付着したサビをきれいさっぱり落としていきました。

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屋根と鍵盤ふた、譜面台に使われている蝶番は、手磨きとバフで細かいところまでしっかり磨きました。

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ペダルと蝶番の輝きが復活して、外装の黒色とのコントラストが映えると思います。

また、音量をかなり小さくできるマフラーペダルのマフラーというフェルトがかなり傷んでいたので、新しく交換しました。

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ペダルをセットして弾いた時、どのハンマーもマフラーにしっかり当たるように微調整を繰り返し行い、新しいマフラーが完成しました。

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外装関係の作業は、なかなか体力を消耗しますが、どんどんキレイになっていく様が作業をしながら感じることができるので、そういったところがとても面白いです。
ピカピカの見た目はやはり気持ちが良いです!

ベルトーン アクション修理

5月も残りわずかとなりました。今月はゴールデンウイークに始まり、こどもの日、母の日、早いところでは運動会などイベントがたくさんあった月でした。来月は梅雨が始まり、雨の日が多いのでしょうか。どんな1ヶ月になるか楽しみです。

工房では、ベルトーンモデルFU33の修理が進んでいます。
今回の修理のメインであるアクション修理を行いました。
まず、センターピン交換をしました。
センターピンは、アクションパーツの運動の軸となるところで、人間で例えると関節部分にあたります。

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修理前の状態では、弾いた時に音が出ない、弾きにくい鍵盤が多くありました。今回のこれらの原因の多くは、センターピンが固くなっていたことだと考えられます。センターピンを適切な固さに調整することで、アクションパーツの運動がスムーズになり、弾きやすさにも繋がっていきます。
センターピンは固さに応じて太さを選びます。

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ハンマー、ウイッペン、ジャックというパーツのセンターピンをほぼすべて交換しました。

ハンマーフェルトはファイリング(ハンマー整形)をしました。
音色が豊かにはっきり発音するように、1本1本手作業でフェルトの形をヤスリで整えました。

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形が整うと同時に、フェルト表面の黒い汚れも取れ、見た目もキレイになります。

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ハンマーの戻りを助けるブライドルテープという部品は、ブチブチとテープが切れてしまったので、新しく交換しました。

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また、鍵盤はキレイに掃除をし、鍵盤がおさまるバランスピン、フロントピンは丁寧に磨きました。くもっていたピンが手触りつるつる、見た目ピカピカのピンに生まれ変わりました。

(バランスピン 磨き後)
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アクションと鍵盤の修理が終わり、本体に取り付けました。整調作業をしていないので、タッチにばらつきはありますがアクション部品がスムーズに動き、明るい音色をしています。とても仕上がりが楽しみです。

ホルーゲル 解体

今週は、気温がぐんぐん上がり、日中は夏の陽気でした。工房内もかなり暑くなったので、季節的にはまだ早いですが今年初めて冷房をつけました。街を歩いていると、日傘をさす人、帽子を被る人が日を追うごとに増えていて、夏の訪れを感じます。

工房では、先日入荷したホルーゲルの解体をしました。

弦の解体から始め、チューニングピンやその他部品も順に取り外していきました。

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手が黒くなりながら、テンポ良くどんどん解体が進んでいきました。

場所を移して、大屋根も外しました。大屋根にはしばらくの間、お休みしていてもらいます。

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そして、鉄骨を外す作業に入りました。まずは鉄骨のネジを取るのですが、複数あるネジがどれも全く回らず、ある一本はネジ頭が折れてしまうなどもあり、作業は一時難航しました。しかしネジを取らないことには、鉄骨を外すことが出来ないので、ネジが回りやすくなるような工夫を色々と行いました。その結果ネジが取れ、鉄骨も無事に外すことが出来ました。

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解体が一段落し、かなりスッキリした本体。解体前とは全然違う景色です。

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これからは本格的に本体修理が始まっていきます!