YAMAHA U3 本体修理

4月に入りました。新年度になり、入社式や入学式などで新たなスタートを切る方もいらっしゃると思います。
この季節はとてもフレッシュな心持ちになりますね。

工房では、ヤマハ、モデルU1の修理を進めています。
本体の作業は、まずピアノを寝かせて本体内部の掃除を行いました。

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長年溜まったホコリやゴミを取り除き、とてもスッキリしました。

そして低音弦(巻線)を新しいものに張り替えました。巻線はカシャカシャ、ジーンという雑音が混じった音をしていました。(通称ジン線といいます)
新しい巻線に交換して、音色が豊かに鳴り響くようにします。

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また、鍵盤バランスピンとフロントピンを磨きました。
バランスピンは鍵盤の支点となるピンで、フロントピンは鍵盤手前の位置にあります。ピンがザラついていると鍵盤がスムーズに動かない原因になります。触ってツルツル、見た目ピカピカの状態が好ましいです。
このピアノのピンは、くもりがあり滑らかな触り心地ではありませんでした。工房では毎回、丁寧に1本ずつ磨いていきます。

(バランスピン 左側・磨き前 右側・磨き後)
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磨いた後のピンはやはりキレイです。
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本体の作業が終わりピアノを起こしました。
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張り終えた巻線をはじくと、雑味のない豊かな音色がしました。実際に弾いて音を出すのが楽しみです。次はアクション修理に入ります。

ベヒシュタイン修復終了 お客様宅へ出庫

今週は何と言っても桜開花の話題が多かったですね。さいたまピアノ工房では昨年に続き、近所の公園でお花見を楽しみました。
桜に囲まれながら過ごす時間はやはり最高でした。この時期は、街行く人もどこか微笑んでいるように感じます。

工房では、ベヒシュタイン、モデルKの修復が終わりました。

鍵盤の修理後は、アクションの修理をしました。サポートヒールクロスという部品のクロスが擦り減っていたので、新しいクロスと交換しました。
クロスは二重構造になっています。

(内側の赤いクロスを外側の緑クロスで包んでいるような感じ。写真では緑クロスの片側はまだ接着されていない状態)
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ハンマーは、ハンマー植えこみ寸法と角度の修正と、ファイリング(ハンマー整形)を行いました。今回の修復作業の一番のポイントでした。

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工房にこのピアノが入ってきて試弾した時、今回の修復を依頼してくださった調律師Fさんとそのお客様が、何が気になって、今回このピアノを修理するのだろうと思うほど、良い音色を奏でていました。ただ、しばらく弾いていると、ベヒシュタイン特有のタッチによる音色の変化が乏しく、音の粒立ちも良くないことに気が付きました。

修理前のプランでは、弦の交換が盛り込まれていましたが、状態が比較的よく、新しく替えても良くはならないと思い、困ってしまいました。そこでハンマーに原因があるのではと思い良く見たら、ハンマーフェルトについている弦の跡が、正常なピアノよりも奥についていることに気が付きました。更に計算した結果、明らかに誤りがある事が分かりました。
Fさんと相談した結果、弦交換はせずに当初のプランにはなかった、ハンマーの寸法と角度の修正をすることにしました。

取り付けられていたハンマーは、純正品と思われ、部品メーカーによって加工された寸法だと、恐らく1990年前後に製造されたものにはピッタリ合うのでしょう。
しかしこの1930年のベヒシュタインには合っていませんでした。ベヒシュタインはこの年代から2005年頃までおおきなモデル変更はありませんが、細かな寸法まで全く同じではありません。しっかり測定をし、それに合わせて加工をしなくてはなりません。

工房でハンマー交換をする時は、一台一台のピアノに最適な状態になるように、工房で穴あけを行っています。今回はその経験が生き、修正後、音の発音が改善され、満足した結果が得られました。

その他に、ダンパー関連の修理もし、更にペダル磨きや譜面台のフェルトを新しくするなど、外装も整えました。

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修理を終えてからの最終調整は、Fさんが行いました。夏日のような天気も手伝ってか、工房内はとても熱気にあふれていました。

調整後はアクションと本体の内部を今一度掃除をし、それから全ての状態を確認しました。

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ハンマー植え角度を修正して、Fさんの調整により、修復前よりも音の発音が良くなり、ほがらかに歌うような音色になりました。
鍵盤も修理前の象牙が剥がれかけて浮いていることもなく、指へのストレスも、もうありません。Fさんも満足した仕上がりになりました。

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新しい工房になってから初めての、ベヒシュタインの修復が無事終わりました。

そして、べヒシュタインが出庫してから約一時間後、修復する新たなピアノが工房に到着しました。そのピアノについてはまた来週お知らせします!

ベルトーン 外装磨き

今日は桜が一気に開花しそうな、気持ちの良い晴天です。いよいよ春本番ですね。

工房では、ベルトーン、モデルNO50の外装磨きをしました。

工房にピアノが来た時から、塗装に原因があるかと思うほど、外装全体がくもっていて、触った感触もざらっとしていました。
試しに一部分だけ汚れを落としてみると、くもりのないハッキリとした塗面が現れました。

そこで、まず汚れを徹底的に落とすことから始めました。すぐに真っ黒になる布を何度もすすぎながら、しっかり汚れをふき取っていきます。

(鍵盤フタの汚れ落とし)
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そしてバフで磨き上げていきました。
磨きムラがないように仕上がりを確認しながら進めていきます。ボヤっとしていた塗面が、段々と艶やかで光沢感のある塗面に変わっていきました。

(本体側面のバフ磨き)
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また、金属部分も磨きました。金属部分の方はひどくサビてしまっていて、本来の輝きを失っていました。

(ロゴ サビついて文字も見えにくい)
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根気よく手磨きで磨いていきました。外装の塗面と同じく、サビついていたものが磨くごとに段々とキレイになっていくのが分かります。

(ロゴ 途中経過)
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(ロゴ 磨き完了!)
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(蝶番の汚れ 真ちゅうとは思えない程、茶色くなっていました)
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(サビが落ちてキレイになりました)
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外装磨きの作業は体力がいりますが、磨いたものがキレイになっているのはとても嬉しいです。外装全体の仕上がりは、修復が完成した時に改めてご紹介します。
ベルトーン、次はアクション調整です。

by志乃

ベヒシュタイン 鍵盤修理

今週は、ぐんと気温が上がりました。思わず「暑い!」と言うぐらいの、初夏を思わせる気持ちの良い陽気でした。

工房では、ベヒシュタイン、モデルKの修理が進んでいます。

鍵盤修理では、鍵盤の象牙貼り直し修理を行いました。このベヒシュタインの白鍵は象牙を使っています。
中音域を中心に、象牙が剥がれてきているものがありました。

(この写真では、真ん中と左の白鍵が反っているように見える 写真は少しわかりづらいかもしれません・・)
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お客様は演奏時のタッチに違和感を感じていて、貼り直しを希望されていました。見て剥がれを確認できるので、おそらく見た目も気になっていたと思います。象牙と木部を接着剤で貼り合わせていますが、年数経過と弾かれていることで段々と剥がれてくるケースがあります。

(鍵盤型の木の台に象牙が貼られている)
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剥がれ方にもそれぞれあり、指で簡単にポロッと取れてしまいそうなものから、一部だけ剥がれかけているものまで様々ありでした。修理では象牙パーツを完全に剥がし、貼り合わせる象牙の面と木部の面がピタッと合うように加工してから接着をします。剥がしてすぐ接着するのではなく、1本ずつ象牙の曲がり具合の修正や、合わせる面と面の加工などを微調整していくので難しい作業です。色んな剥がれ方をしていた象牙が徐々に揃っていきます。

慎重に接着した後、象牙部分をバフで磨いて艶を出しました。

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バフをかけるごとに艶が出てくる様は作業していて面白いです。

また黒鍵の磨き、鍵盤のブッシングクロス交換、キャプスタンボタンの真ちゅう磨きを行いました。

(写真はキャプスタンボタン 左・磨き前 写真右・磨き後)
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黒鍵は汚れを落としキレイになり、象牙の白鍵ともに見た目が明るくなりました。

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お客様が鍵盤を気にすることなく演奏できるようになったと思います。今後もひとつひとつ丁寧に修理を進めていきます。

by志乃

YAMAHA U1 入庫

今週は寒暖差が激しく、お天気も不安定な日が続きました。
春の季節特有の強風もありますが、ようやく冬も終わりの頃かなと実感します。

工房では、YAMAHA、モデルU1を入庫しました。

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昭和44年製造、今から約50年近く前につくられました。ヤマハのアップライトピアノでは、人気のモデルです。

持ち主のお客様は、このピアノをずっと弾かれていて、とても大事にされています。ただいま修復中のベルトーンのお客様とお知り合いで修復のご紹介を頂きました。
年数が経ったピアノを不具合なく、これからもこのピアノで演奏を楽しみたいという思いで修復を決められました。

愛着のあるピアノを少しの期間お預かりしますが、再びお客様の元へピアノが戻る時は今よりピアノが元気になって、お客様が楽しんで弾いていただけるように、精一杯頑張りたいと思います。