ヤマハ U1 本体掃除

工房では、ヤマハU1の修理が始まりました。

前回のブログに引き続き、今回も掃除と磨きについてです.

金属部分から磨いていきます。

チューニングピン磨き

(磨く前)

(磨いた後)

プレッシャーバー磨き

(磨く前)

(磨いた後)

この他にも、弦やヒッチピン、駒ピンも磨きました。

銀色に艶やかに光りました。

響板も鉄骨もキレイに掃除しました。

もともと汚れが少ない分、さっと拭くだけでもきれいになりました。

ピアノの内部は、汚れや錆が徐々に増えてしまいます。
工房にピアノを移動すれば、普段は掃除が出来ない所も隅々まで徹底してキレイにすることができます。

次は、このピアノはちょっとお休みして、都内の教会にある、グランドピアノの修復作業をお伝えします。

by真帆

仕事始め

皆様、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

今年の仕事始めは、ピアノレンタルのピアノの金属磨きとヤマハU1の修理からです。

金属部分は年数が経つと茶色く錆てしまいます。

錆を落として磨きをかけると光を反射し、輝きます。
YAM(下の写真の左側の文字) 磨いた後
AHA(下の写真の右側の文字) 磨く前

錆を落として磨きあげました。

ペダルも錆びていました。

錆を落として磨けばピカピカです。

金属部分が光ると、木目のピアノ本体の印象がより明るくなりました。

さて、次はヤマハU1の修理に入ります。
まずは掃除からです。

鍵盤を外して、棚板のホコリを掃除機で吸い取り、汚れを雑巾で拭き取りました。

バランスピン、フロントピンの磨きます。

これは鍵盤が収まっていてるピンで、鍵盤を弾くと、ピンと鍵盤側のブッシングクロスが擦れます。

ピンが錆びていると摩擦が大きくなり、ブッシングクロスの摩耗が進み、タッチにも影響します。

今回のピンはメッキピンだったこともあり、錆具合も軽度だったので、磨いたピンはピカピカになりました。

錆もホコリも汚れも取れて新年早々気持ちがいい仕事始めでした。

by真帆

ホルーゲル 最終調整

工房では、ホルーゲルの最終調整を行いました。

本体にアクションを取り付けて、ピアノとしてのアクションの動きを望ましい状態にし、タッチと音色を取り戻していく作業です。

鍵盤がスムーズに動くように調整し、ハンマーが弦に真っすぐ当たるように調整し、さらに全ての部品が上手く連動するようにしていきます。

作業途中、ネジで調整できるようになっている部品が折れたりもしました。購入されてから半世紀以上経過したピアノなので、ときどきある事です。

これは、鍵盤とアクションの間を調整するキュプスタンと呼ばれる部品ですが、ワイヤーが錆びて、回そうとすると折れてしまいました。

新しいワイヤーとパイロットに交換しました。

調整を終えると音がはっきり出てくるようになります。タッチも揃いました。
そこで気になってくるのが音の質感です。

音が硬く、ハンマーが弦を打つ打撃音が強く、粗さを感じました。親方に相談したところ、親方に一部のハンマーの整音をしてもらい、音色の変化を聞かせてもらいました。どんな仕上がりにするか二人で決め、その音にするにはハンマーのどこに何回針を刺すのがいいのかなど、指導してもらい、作業を進めていきました。

整音後は、音の芯はありつつ、打撃音も気にならなくなり、音の粗さも少なくなり、全体的にまとまりのある音になりました。

修理前のホルーゲルの印象は、いい音を持っているピアノだという印象でしたが、スティックが酷く、タッチもガサガサしていました。

本来の音の良さを残しつつ、タッチも音もクリアになりました。

最後に親方にチェックしてもらい、ホルーゲルは工房を出発し、お客様の元へ帰って行きました。

この修復されたホルーゲルで、またたのしんで弾いて頂きたいなと思います。

ここでお知らせです。

工房は明日から冬期休暇になります。

12月29日から1月4日までお休みです。

今年もお世話になりました。

みなさま、良いお年をお迎えください。

来年も宜しくお願いいたします。

by真帆

ホルーゲル アクションと鍵盤修理

工房では、ホルーゲルのアクション修理と鍵盤修理をしました。

鍵盤やアクションに使われているフェルトやクロス

は、部品同士が当たる・接触する場所に使われています。たくさん使われると、すり減ったり、汚れが発生し、雑音の原因や弾きづらさに繋がっていきます。

更に、このホルーゲルが製造されてから推定60年たっており、経年変化による劣化も目立ち、ほとんどのフェルトやクロスがいたんでいました。

ダンパーレバークロスの交換

ダンパーは音を止める部品です。

今回交換したのは、二つあります。一つは、写真の下の方に見えるクロスです。部品同士が当る部品は削れて、凹んでいました。このまま使い続けると、クロスに穴があいて雑音になったり、タッチがガサガサしてしまいます。

もう一つは、写真の真ん中あたりに見える赤くて丸いクロスです。ダンパースプリングを受け止めるために付けられており、最近のピアノにはない丁寧な造りになっています。

鍵盤を押したり、ペダルを踏んだ時に、汚れているスプリングと古いクロスが擦れて雑音の原因になっていました。

どちらのクロスも張り替えて、スプリングも汚れを拭き取りました。

ペダルを踏んでみると、雑音がなくなりました。

ウィペンヒールクロスの交換

写真に写っている緑色のフェルトを交換しました。

このフェルトもキャプスタンという部品がガサガサしていると、削れてしまいます。

フェルトが削れると雑音の原因になります。

鍵盤修理

キャプスタンプの黒鉛磨き 塗り替え

黒鉛が取れて、木が見えてしまっていました。

鍵盤とアクションが接する大切な部分なので、滑らかに動くように、ガサガサをペーパーで研ぎ落とし、黒鉛を再度塗り直して、皮で磨きます。

鍵盤ブッシングクロスの交換

鍵盤に使われている赤いクロス(バランスブッシングクロス)が黒ずんで劣化しています。

クロスはかなりすり減っていて、適切な厚さは残っていませんでした。


クロスの適切な厚さは、タッチに関わる大事な部分です。

これらも全て交換しました。

アクション、鍵盤の修理が終わり、少し音を出してみました。タッチのガサガサやスティックがなくなり、スッキリした感じになりました。

これから、調整に入ります。ピアノの音を聴くのが楽しみです。

by真帆

象牙鍵盤 漂白

工房では、象牙鍵盤(白鍵)の漂白を行いました。

象牙鍵盤は、指なじみが良く弾きやすい材質なのですが、経年変化や汗などで段々と黄ばみが出てきます。特に中音付近は、よく弾くところなのでだいぶ黄ばみが目立っていました。

因みに現在では、ワシントン条約により、象牙の国際取引が禁止されています。

象牙を漂白して、黄ばみを出来る限り落とします。

象牙の漂白は天気が良く、日の高いうちがチャンスです。秋から冬にかけては日が傾くのがはやいので、朝一番に取りかかります。

日光が良く当たるところに象牙鍵盤をセットして象牙の上に障子紙を置き、その上から過酸化水素水(オキシドール)をたっぷり塗って日ざしに当てます。

この作業を繰り返し行います。

障子紙を剥がすと紙に黄色が付着していて、黄ばみが薄くなっていくのが分かりました。

象牙鍵盤も元の白い色に近づいて、綺麗になりました!

また、たくさん楽しんで弾いてもらえるようにホルーゲルの修理を進めていきます。

by真帆