ヤマハ No.G2 アクション修理

工房では、ヤマハのグランドピアノ No.G2のアクション修理を進めました。

ウィペンは汚れが溜まりやすく、掃除がしにくいところなので、まずは掃除からはじめます。

ジャックの部分は黒鉛と汚れが混ざってべとついていました。 しっかり拭き取り、塗り黒鉛を塗っていきます。

上のジャックと擦れるところが下の写真の黄色いクロスのローラーといわれる部分です。左側は拭き取り前で、ジャック同様黒くベトついていました。

右側は拭き取り後です。全てのローラーを拭き取りました。

ヒールクロスはキャプスタンと当たる部分ですが、黒くべとついていました。このヒールクロスの摩擦が鍵盤を重くしいた原因のひとつでもあります。

新しいクロスと交換しました。

今回、キャプスタンは交換しました。

右側がオリジナルで、左側が新しく交換したものです。

新しく、綺麗になりました。

鍵盤のホールの掃除とピンの掃除をしました。

こちらも黒くベトついている汚れを拭き取りました。

拭き取るだけでツルツルになりました。

部品同士が接触するところは余計なものがないように、しっかり取り除くことが、ピアノのスムーズな動きにもつながります。

次回はアクションを組んで鍵盤の加重調整をします。

by真帆

ヤマハ No.G2 アクション引き取り修理

工房では、ヤマハG3Eと並行してヤマハNo.G2 のアクションを引き取り、修理を進めています。

お客様宅にアクションを引き取りに行くと、素敵なデザインのピアノでした。

ピアノはアントニン・レーモンド氏によりデザイン設計されているヤマハのNo.G2 でした。

鍵盤蓋と腕木のあたりはシャープな印象ですが、脚やペダルの辺りは丸みがあり、優しい印象を受けました。

お客様が気にされていたのは、鍵盤のタッチが重さでした。私も鍵盤を弾いてみると、鍵盤の底まで引き抜くのが大変で、これで曲を弾くのは大変だなと思いました。

今回は重いタッチを軽く仕上げるということで、お客様宅からアクションを持ち帰り、修理開始です。

まず、アクションの状態を把握していきます。

鍵盤の加重を測ります。

鍵盤の手前に重りを乗せて測りますが、一番重い70gと9gの組み合わせでも鍵盤が下がりません。

80g以上ということで、アクションが接している摩擦が発生する場所を見てみると、黒くべとつきがあり、動きを悪くしていました。丁寧に拭き取って、もう一度鍵盤の加重を測ります。そうすると、76gの重りでも落ちるようになりました。

しかし、76gでも重いので、先程掃除したクロスや部品を交換してから、また鍵盤の加重を測り、鉛をどれくらい入れるか検討します。

次はアクションの掃除に入ります。

by真帆

YAMAHA G3~こだわりの修理① オーバーホール始めました。

ゴールデンウィークも中盤になりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか?

元号も令和に変わりましたが、平成の時と同様に、ピアノと向き合っていきたい思います。

工房ではゴールデンウィークの前から、YAMAHA、G3のオーバーホールに入りました。

まずは解体前の掃除から。

何十年も積もりに積もったホコリをはらいます。

その後、全体の劣化具合や、どの様な特徴があるピアノなのかなどを診断します。ピアノは一台一台、メーカーや使用具合、経年変化などにより違うので、よく確認する事が必要です。

どの様に修理すべきか、工房のスタッフで検討してから、解体作業に入ります。

上の画像は弦をはずしている所。弦が錆びて、伸びきってました。

続いては鉄骨を外している所。

機械で鉄の部分を持ち上げてます。この鉄骨がピアノの張力を支えています。今回はこの鉄骨の下にある響板を修理するために、外しました。

オーバーホール、まだまだ続きます。

by朋子

カワイ R1 最終調整

今回はカワイのグランドピアノR1のアクション修理が終わり、お客様宅での最終調整です。

カワイのアクションを引き取ってから約3週間お預かりし、修理を集中的に進めてきました。
部品を交換したり、センターピンの位置も修正したので、修理前のアクションの状態とは異なります。
ここでは、ピアノ本体の中でアクションが正常な動きになるように調整していきます。

親方がピアノ本体で作業している間に、ダンパーヘットとワイヤーを磨いていきます。
ダンパーヘットは黒いので汚れは目立ちませんが、長年の汚れがついていました。
ワイヤーもガイドに当たる部分が黒くなり、汚れがついていました。
磨くことでダンパーの摩擦も減り、引っ掛かりが無くスムーズに動くようになります。

(磨く前)
ヘット

ワイヤー

(磨いた後)
ヘット

ワイヤー

さて、ピアノの整調、調律が終わり、残すところは整音作業となり、ピアノの最終的な仕上げのゴールがみえてきたとき、お客様が様子を見に来ました。

ピアノを弾いたときにタッチが明らかに軽く、指に付いてくるタッチになったと、とても喜んでいただきました。

お客様がピアノを弾いたとき、私は部屋の端っこに居ましたが、美しく洗礼された音に圧倒されました。
修理前は鍵盤が重く、もたつくようなタッチで、音は霞がかった景色が広がる様な、柔らかい音でした。
修理後に聴いた音はまさに霧が晴れたような軽やかでしかも芯のあるしっかりした音色でした。

ピアノがどんな音に育っていくか、これから楽しみですね。

by真帆

カワイ R1 ハンマー交換と鍵盤鉛調整

工房では、カワイグランドピアノ R1 の修理を進めました。

今回はハンマー交換と鍵盤の鉛調整です。

交換前のハンマーには、弦溝が深くついていました。

新しいハンマーは、接着する前に針刺しをします。この工程をすると、音に厚みがでます。

ハンマーシャンクも新しいものに交換します。

接着時の写真を撮り忘れてしまい、接着後の写真になりました。

ハンマーテールの加工をします。

これで、ハンマーを取り付けてアクションの修理は完了です。

次にタッチの重さを鍵盤に鉛を入れる事で調整していきます。
今回、この修理の大きなテーマの一つが、タッチの重さを何とかし、軽快にする、でした。
過去にも他の技術者の方が改善処置をしていましたが、鍵盤を押し下げやすくはなっていましたが、鍵盤の戻りが鈍く、タッチが軽快とは言えませんでした。

アクションを良く調べえると、余計な摩擦が発生する設置になっていて、鍵盤自体に多くのおもりを入れて、少々強引にタッチのつじつまを合わせる結果になっていました。
そこで、ウィペンのセンターピンの位置を最適なポジションにするために0.5mm奥にずらし、ハンマーを少し軽めのものに変えて、軽快なタッチを目指すことにしました。

アクションを組み立てて、タッチの重さを測りました。この時点で既に、タッチが軽快な方向に改善されていました。

更により良くするために、鍵盤についている余計な鉛を抜いて埋木をします。
埋め木を加工して筬に鍵盤を戻し、アクションを戻します。

再びタッチの重さを測定し、最適なタッチになるように鉛を入れていきました。

結果、鍵盤の総重量が約1.5キロも軽くなりました。これだけ鉛を抜いたのは初めての事でした。

次回はお客様宅での整調作業についてご報告いたします。

by孝則 、真帆